今回は「スライド」と「グリス(グリッサンド)」と呼ばれるテクニックを紹介していきたいと思います。
共通点は弦を押し弦した状態で弦を移動するテクニックとなります。
弾き方も似ているこの「スライド」と「グリス」
TAB譜などを交えてその違いを早速見ていきましょう!
スライド
「スライド」はTAB譜上にこのように「S」と表記され、スライドの位置を指定
されています。
このTAB譜ですと3弦の5フレットをピッキングした後、弦を押した状態のまま7フレットへ移動します。
サウンドで聴くとこのようなサウンドになりますね!
画像のようにフォームもそのままで目標のフレットまで移動します。
この時、例えばTAB譜ですと3弦5フレット以外の音が鳴らないようにミュートに気をつけましょう!
画像のように左指で全弦ミュートを行うのも良いですし、
4〜6弦の低音弦は右手でミュートをし、その他1〜2弦は左手でミュートというパターンでもOKです。
グリス(グリッサンド)
では次に「グリス」または「グリッサンド」の呼ばれるテクニックを見ていきましょう!
TAB譜では記号と一緒に「g」もしくは記号だけのパターンがあります。
ですので、線の示す向きでどちらの方向へ進めば良いかを覚えておきましょう!
サウンドはこのようになります。わかりやすいように少しグリスのスピードを落としてあります。
TAB譜の順番で弾いていますのでそれも踏まえてサウンドを確認してニュアンスを掴んでみてください。
グリスの出発点
「スライド」ですと5フレットからという出発点の指定がありましたが
この「グリス」または「グリッサンド」では明確な出発点がありません。
コピーする曲のフレーズだったりテンポ、グリスの前に間があるかないかなどでも
グリスする幅が短くも長くもなります。
このグリスの出発点はコピーならニュアンスを自分で掴んで弾くことになります。
そして「グリス」はギターソロやフレーズの導入や終わり部分で多く用いられ、
最近の主流はフレーズの入り部分でハイフレットから高速で目的のポジションに移動する
というのが多く見受けられます。
そしてこのMegadethの現ギタリスト、Kiko Loureiroが弾く「Tornado of Souls」
その曲のギターソロの中でもハイフレットからの高速のグリス
そしてスライド、グリスがふんだんに使われていますので、ニュアンスを掴んで見てください。
スライドとグリスの違い
ここまで読み進めて頂いたならある程度「スライド」と「グリス」の違いについてお分かりになったと思います。
・スライド=出発点と終着点が決まっている
・グリス=出発点、もしくは終着点、もしくはその両方が不明確
だというのがお分かりになったと思います。
ですがどちらも弦上をスライドさせるテクニックで、ミュートの仕方も共通する場合があります。
そして、ここまで主に単音弾きで紹介してきましたが、もちろんコードで使うのもOKです。
ソロフレーズで多く使われているというだけでコードで使ってはいけないという決まりはありません。
実際に弾いてみよう!
今回は「スライド」を交えたフレーズを弾いてきましょう!
【課題曲】
【ドラムオンリー】
【TAB譜】
前回のカッティングというテクニックを交えてこのスライドを含んだフレーズを弾いていきましょう!
ポイント
「スライド」以外にも見られる新しい奏法、それがこの赤い枠の部分「オクターブ奏法」
ではどういったものなのか見ていきましょう!
オクターブ奏法
オクターブ奏法とは名の通り、ルートとそのオクターブ上の同じ音を弾く奏法となります。
例えば赤枠の5弦7フレットは「ミ」つまりEの音
そして3弦9フレットも同様にEの音が鳴っています。
ただ単音でEの音を鳴らすのではなく、
このようにオクターブ上のEの音を重ねることにより力強いサウンドに変わりますね!
もちろん単音で弾くより力強いサウンドになるからといって
オクターブ奏法>単音弾き
という力関係になるわけではなく、それぞれの良さがありますので
曲の雰囲気やフレーズだったりジャンルだったりで使い分けていくセンスが重要ですね!
余弦のミュート
パワーコード同様に全ての弦を弾きますので、押し弦以外の音をミュートすることが大切になります。
基本的にはパワーコードのミュート方法と一緒です。
人差し指の先で6弦に触れ、指の腹で1〜4弦をミュート、小指でも指の先と指の腹を使う
そしてこのオクターブ奏法で重要な役割の中指と薬指で低音弦、この場合は6弦に触れておくことが大切です。
4弦がルートになってる場合のオクターブ奏法の押さえ方です。
人差し指では6弦に触れることができないので中指と薬指で低音弦に触れてあげます。
このようにオクターブ奏法では3弦がルートのオクターブ奏法ももちろんあります。
ですのでこの中指と薬指を使ってのミュートにも意識を向けてこのフレーズを練習していきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これで「スライド」と「グリス」の違いや弾き方が理解できたと思います。
どちらも余弦のミュートをすることがとても大切ですのでそこを気をつけていきましょう!
フレーズに上手く組み込むことによりちょっとしたスパイスになり、演奏に華がでるテクニックです。
テクニックだけをみてしまえばただ弦を移動すればいいと思ってしまうかもしれませんが
それだけに焦点を当てず、フレーズに組み込んでこその奏法です。
これも一つ重要なテクニックなんだ!という意識で練習していきましょう!!